4 (2) 下垂体腺腫
経鼻手術のリスクと違い、開頭手術だけであれば、髄液漏の心配はほとんどありません。 〇神経の損傷腫瘍とくっついている神経や、腫瘍にたどりつく経路を横切っている神経は、手術操作で傷つけてしまって後遺症となる可能性があります。視神経はほぼ確実に腫…
脳の下面にできる腫瘍ですので、場所としては頭蓋底(ずがいてい)ということになります。したがって、ここに到達する開頭手術は、「頭蓋底髄膜腫の手術」と似ています。 腫瘍は真ん中にある下垂体から発生しますので、腫瘍の広がる方向によって、左右どちら…
比較的安全性の高い手術ですが、以下のような合併症を起こすリスクがあります。 〇髄液漏(ずいえきろう)正常下垂体(および腫瘍)のあるトルコ鞍と、上方の脳の空間は、鞍隔膜(あんかくまく)と呼ばれる薄い膜で仕切られています。脳の空間には、髄液(ず…
鼻の奥には、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)と呼ばれる骨の空洞があります。さらにその奥に、トルコ鞍(とるこあん)と呼ばれる下垂体の入っている骨のポケットがあります。この経路で手術を行いますので、経鼻経蝶形骨洞法とも呼ばれます。 この手術も、全…
開頭(かいとう)手術と、経鼻(けいび)手術があります。 開頭手術は、その名の通り、頭蓋骨を開いて行う手術ですが、下垂体は脳の下面の真ん中にあるため、脳の表面側からは遠く、到達するのに少し難しい手術になります。一方、経鼻手術は、鼻の穴から行う…
下垂体腺腫は、腫瘍の中で出血を起こすことがあります。これを下垂体卒中(かすいたいそっちゅう)と呼びます。腫瘍が突然大きくなりますので、周辺の組織に影響が出ます。ゆっくり大きくなる分には、周りの組織も少しずつ形が変化し、症状も出にくいのです…
副腎皮質ホルモンは、いわゆるステロイドですが、ACTHはこの副腎皮質ホルモンを増やす作用があります。ACTHが増えると、体内の副腎皮質ホルモンも増え、クッシング病と呼ばれる病気になります。この病気も、治療においては、ホルモン値のコントロールがとて…
成長ホルモンは、その名の通り、子供が成長する時に必要なホルモンです。子供の時に成長ホルモンが多いと高身長になりますが、大人になってから成長ホルモンが増えても、身長はそれほど伸びません。治療においては、ホルモン値のコントロールがとても重要で…
プロラクチン(PRL)は、乳汁分泌ホルモンで、女性が授乳する時に出るホルモンです。下垂体腺腫で、このホルモンを作る細胞が異常に増えるタイプのものが、プロラクチン産生性下垂体腺腫です。女性だけでなく男性にも起こります。 【症状】ホルモンの症状で…
非機能性下垂体腺腫は、ホルモンを作っていない細胞が増えた場合の下垂体腺腫です。血液検査によるホルモンの数値は正常です。ただし、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)を作っているタイプのものも、何も症状が出ないため、非機能性下垂体腺…
下垂体腺腫(せんしゅ)は、下垂体を構成している細胞が異常に増えることによって増大していきます。下垂体は様々なホルモンを作っている場所ですので、どのホルモンを作る細胞が増えるかで種類が分かれます。症状や治療法については、種類ごとに違うので、…
下垂体(かすいたい)とは、脳の下面にぶらさがり、様々なホルモンを作っている所です。ホルモンとは、血液中に放出され、全身を巡って様々な臓器に働きかけ、その臓器の機能を調節する物質です。下垂体はさらに前葉と後葉に分かれ、作られるホルモンは、前…
① 下垂体とは ② 症状と治療方針(共通の一般的事項) 1) 非機能性下垂体腺腫 2) プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)産生性下垂体腺腫 3) 成長ホルモン(GH)産生性下垂体腺腫;先端巨大症 4) 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生性下垂体腺腫;クッシング病 5) 下…