非機能性下垂体腺腫
非機能性下垂体腺腫は、ホルモンを作っていない細胞が増えた場合の下垂体腺腫です。血液検査によるホルモンの数値は正常です。
ただし、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)を作っているタイプのものも、何も症状が出ないため、非機能性下垂体腺腫に含まれていることもあります。
【症状】
ホルモンの異常はないため、腫瘍が大きくなり、周りの組織を圧迫することで出る症状のみになります。最も多いのは目の症状で、「症状と治療方針(共通の一般的事項)」に記載した両耳側半盲などの症状です。
【治療方針】
目の症状が出ていれば、治療が必要です。まだ目の症状が出ていなくても、目の神経(視神経)が圧迫されていれば、治療を行うこともあります。
治療方法は手術がメインです。通常は、鼻からの経鼻手術を行います。腫瘍が大きかったり、腫瘍の広がる方向によっては、開頭手術が必要な場合もあります。
薬による治療はありません。
放射線治療も通常は行いません。視神経は放射線に弱いので、視神経と腫瘍が接している場合は行えませんし、視神経と接していなければ治療自体が必要ありません。また、正常の下垂体機能が落ちてしまい、ホルモンが減ってしまって、薬による補充が必要となるリスクもあります。