脳幹出血
脳幹(のうかん)は、大脳と脊髄(せきずい)をつなぐ位置にあります。脊髄は、背骨の中にある神経の集まりで、そこから手足へと神経がつながっています。
脳幹は、生命の中枢(ちゅうすう)とも言われ、脳幹が傷つくと、意識が悪くなったり、呼吸がうまくできなくなって、命に関わることがあります。また、大脳からの指令が全身に行き渡るための通り道なので、脳幹で出血が起こると、手足の動きが悪くなったり、手足の感覚が鈍くなることもあります。また、目の動き、顔の動き、物の飲み込みなど、顔まわりの細かな調節も行っていますので、小さな脳幹出血でも、様々な症状が出ます。
脳幹は、頭の中の深い位置にあり、細かい機能がぎっしりつまった部分なので、基本的に手術では触れない領域です。脳幹で手術できるのは、海綿状血管腫などの一部の病気に限られ、脳幹出血に対しては出血が多くても少なくても手術はできません。