脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

1 (1) 脳梗塞

頭蓋骨形成術

減圧開頭術を行ったあと、数週間経つと、脳浮腫(のうふしゅ)は徐々に引いてきます。脳浮腫が引けば、骨を戻す頭蓋骨形成術(ずがいこつけいせいじゅつ)を行うことができます。この時に戻す骨は、減圧開頭術を行った時に取り除いた自分の骨であったり、人…

減圧開頭術(外減圧術)

広い範囲の脳梗塞では、死んだ脳がどんどんむくんできます。脳浮腫(のうふしゅ)と呼ばれ、発症から72時間(3日間)くらいまでは悪化し続けます。この脳浮腫によって正常の脳(特に真ん中にある脳幹と呼ばれる部分)が圧迫されて、意識が悪くなったり、呼吸…

血栓回収療法

血栓回収療法/血栓回収術は、血管内手術になります。脳梗塞は血管がつまってしまう病気ですので、つまった血栓(血の塊)を取ってしまおうという治療です。したがいまして、脳梗塞の種類のうち、脳塞栓症に対して行う治療ということになり、アテローム血栓性…

脳梗塞のリハビリテーション

脳梗塞を発症してから時間が経ち、症状が残ってしまった場合は、薬や手術で治すことはできません。この後遺症を少しでも軽くするために、リハビリテーションが必要となります。比較的軽い運動麻痺や言語障害であれば、リハビリで改善することもありますが、…

再発予防の治療

脳梗塞発症後は、脳梗塞が広がったり、別の血管がつまってしまうこともあるため、再発予防も大切です。一般的に血液をサラサラにする薬が使われますが、このサラサラにする薬には大きく2種類あります。一つは、脳塞栓症で使われる抗凝固薬です。血液そのもの…

tPA静注療法

tPAは、血の塊(血栓)を強力に溶かす薬です。点滴から注射をすることで、脳の血管につまった血栓を溶かして再開通させます。これによって症状が良くなる方もいらっしゃいますので、必ず最初に試みる治療ですが、血管がつまっているために薬が血栓に行き渡ら…

超急性期再開通療法

脳梗塞は、脳の血管がつまって、脳の一部が死んでしまう病気です。ただし、血管がつまってから脳が死んでしまうまでには数時間の猶予があります。つまり、血管がつまった瞬間に症状は出ますが、機能が停止しているだけで、まだ脳は死んでいないという時間が…

脳梗塞の治療方針

脳梗塞になってすぐ(超急性期)であれば、つまった血管を再開通させて治す治療があります。まずはこの治療が可能かどうかを判断します。 ⇒ 超急性期再開通療法について 時間が経ってしまうと、この治療はできなくなるため、症状を治すことはできなくなりま…

ラクナ梗塞

ラクナ梗塞は、1.5cm以下の小さな脳梗塞で、穿通枝(せんつうし)と呼ばれる細い血管がつまることによって起こります。特に、中大脳動脈という動脈からひげのように出る穿通枝は、ちょうど手足を動かす機能のある場所に栄養を送っているため、この穿通枝がつ…

アテローム血栓性脳梗塞

アテローム血栓性脳梗塞は、脳の太い動脈が、動脈硬化によって徐々に細くなって血液の流れが悪くなるのが原因です。アテロームというのは、コレステロールのカスのようなもので、これが動脈の壁にたまって分厚くなってくると、血液の流れている内腔が細くな…

脳塞栓症

脳塞栓症(のうそくせんしょう)は、心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈が原因で起こることが多いです。血液は、流れずにとどまっていると、だんだん固まってしまう性質があり、血栓という血の塊ができます。心房細動は、心房という心臓の部屋のひと…

脳梗塞の種類

脳梗塞は、動脈のつまり方や、つまる動脈の太さによって、3つに分けられることが多いです。一つは、心臓などで血栓という血の塊ができ、それが血液の流れに乗って脳まで到達し、脳の血管がつまってしまう脳塞栓症(のうそくせんしょう)です。もう一つは、脳…

1 (1) 脳梗塞(目次)

① 病気の説明 1) 脳梗塞とは 2) 脳梗塞の症状 3) 脳梗塞の種類 〇 脳塞栓症 〇アテローム血栓性脳梗塞 〇 ラクナ梗塞 ② 治療方針 〇 超急性期再開通療法について 〇 tPA静注療法 〇 再発予防の治療 〇 リハビリテーション ③ 手術について 〇 血栓回収療法 〇…

脳梗塞の症状

脳梗塞で出やすい症状は、手足や顔の運動麻痺、言葉の障害、手足や顔の感覚の異常、目の症状、意識障害などがあり、これらが組み合わさって出てきます。ただし、これらは「脳が障害された時の症状」であり、脳梗塞以外の脳の病気でも出る症状ですので注意が…

脳梗塞とは

脳梗塞(のうこうそく)は、脳の動脈がつまって栄養が足りなくなり、脳の一部が死んでしまう病気です。脳の働きは、脳の部位によって決まっているため、脳梗塞の症状は、脳のどこに障害が起こったかで、出る症状も変わってきます。通常、動脈がつまった瞬間…