脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

脳梗塞のリハビリテーション

脳梗塞を発症してから時間が経ち、症状が残ってしまった場合は、薬や手術で治すことはできません。この後遺症を少しでも軽くするために、リハビリテーションが必要となります。
比較的軽い運動麻痺や言語障害であれば、リハビリで改善することもありますが、重度の運動麻痺になると、いくらリハビリをやっても動くようにはならないことが多いです。そのため、反対側の正常の手足を使って、ひとつでも多くのことができるように訓練が必要です。車いすに乗り移る、つえを使って歩く、食事動作、トイレ動作、着替えなど、身の回りのことを訓練したり、利き手側が麻痺になった場合は、利き手を変える訓練も必要となります。

リハビリは大きく分けて理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語療法(ST)の3種類があります。理学療法は、座る、立つ、歩くなどの訓練を中心に行います。最も一般的なリハビリのイメージはこれになると思います。作業療法は、手を使った細かい作業や、高次脳機能の改善を目指した訓練になります。言語療法は、言葉を話す、聞いた言葉を理解する訓練や、ろれつが回らない時の訓練などを行いますが、食事をとるための嚥下(えんげ)訓練もこちらで行います。

リハビリは、発症から3ヶ月以内が最も効果の出る時期とされており、その時期を超えてから頑張っても、改善は困難となります。しかし、リハビリをやめてしまうと悪化してしまうことがあるため、改善した機能を維持するためにリハビリを継続する必要があります。後遺症の診断や、身体障害者の認定は、改善が見込めなくなる半年以降になります。

リハビリはとても重要ですが、意識障害や言葉の障害で思うようなリハビリができず、寝たきりになってしまうこともあります。また、高齢者の場合は、認知症や体力の低下、意欲の低下などにより、十分なリハビリができないこともあります。