脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

tPA静注療法

tPAは、血の塊(血栓)を強力に溶かす薬です。点滴から注射をすることで、脳の血管につまった血栓を溶かして再開通させます。これによって症状が良くなる方もいらっしゃいますので、必ず最初に試みる治療ですが、血管がつまっているために薬が血栓に行き渡らなかったり、行き渡っても血栓が溶けないこともありますので、確実性の高い治療ではありません。特に、太い血管がつまっている場合、実際に血栓を取る手術(血栓回収療法)もありますので、最近はそちらも合わせて行われることが多くなっています。

tPAは、強力に血の塊を溶かす薬ですので、出血には要注意です。脳で出血を起こす病気をしたことがある人や、脳以外でも最近大きな手術を受けたような人は、出血する危険があるため、この薬は使用できません。


また、脳が死んでしまった後で血管が再開通すると、出血を起こしてしまうこともあるため、発症から4時間半を超えている場合は、この薬は使えません。