tPA静注療法
tPAは、血の塊(血栓)を強力に溶かす薬です。点滴から注射をすることで、脳の血管につまった血栓を溶かして再開通させます。これによって症状が良くなる方もいらっしゃいますので、必ず最初に試みる治療ですが、血管がつまっているために薬が血栓に行き渡らなかったり、行き渡っても血栓が溶けないこともありますので、確実性の高い治療ではありません。特に、太い血管がつまっている場合、実際に血栓を取る手術(血栓回収療法)もありますので、最近はそちらも合わせて行われることが多くなっています。
tPAは、強力に血の塊を溶かす薬ですので、出血には要注意です。脳で出血を起こす病気をしたことがある人や、脳以外でも最近大きな手術を受けたような人は、出血する危険があるため、この薬は使用できません。
また、脳が死んでしまった後で血管が再開通すると、出血を起こしてしまうこともあるため、発症から4時間半を超えている場合は、この薬は使えません。