小脳出血

頭の中の上にある大脳と下にある小脳は、小脳テントという膜で仕切られており、小脳テントより下の空間を後頭蓋窩（こうずがいか）と呼びます。小脳と脳幹は後頭蓋窩にあります。

小脳は体のバランスを取る働きがあるため、小脳出血では、ふらつき、めまいなどが起こり、気持ち悪くなって嘔吐してしまうこともあります。また、手足の動きの調節がうまくいかず、力は入るけど、細かい動きをしようとすると震えてしまって、うまく使えなくなります。大きな小脳出血では、脳幹にも圧迫がかかり、意識が悪くなることもあります。また、脳幹に圧迫がかかるほどの出血では、次に述べる閉塞性水頭症も起こし、そちらも意識が悪くなる原因になります。

後頭蓋窩は比較的狭い空間ですので、大脳での出血と比べて少量の出血でも、脳幹へ圧迫がかかったり、水頭症になったりして、手術が必要になることがあります。