脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

成長ホルモン(GH)産生性下垂体腺腫;先端巨大症

成長ホルモンは、その名の通り、子供が成長する時に必要なホルモンです。子供の時に成長ホルモンが多いと高身長になりますが、大人になってから成長ホルモンが増えても、身長はそれほど伸びません。治療においては、ホルモン値のコントロールがとても重要です。

【症状】
先端巨大症と呼ばれる、特徴のある症状が現れます。以前は、末端肥大症とも呼ばれていました。鼻やくちびるが厚くなり、おでこやあごが出っ張ります。舌が厚くなったり、手足も肉厚となり、指も太くなります。靴のサイズが大きくなったり、指輪が入らなくなったりします。見た目だけで判断できる数少ない病気のひとつですが、変化がゆっくりなため、本人や同居の家族は意外と気づいていないことも多いです。
また、高血圧、糖尿病などを合併しやすく、脳血管障害(脳卒中)や心筋梗塞、がんなども起こしやすくなります。放置すると、正常の人よりも短命になると言われ、適切な治療が必要です。
腫瘍が大きくなると、「症状と治療方針(共通の一般的事項)」に記載した両耳側半盲などの目の症状も出ます。

【治療】
成長ホルモンの数値を正常まで下げる必要があり、最も効果的な治療は手術です。目的はホルモン値を下げることですので、腫瘍が小さくても手術が必要です。術後、腫瘍が残ってホルモン値が下がりきらなかった場合は、薬の治療を追加します。薬の治療は、注射薬が一般的ですが、飲み薬を使用することもあります。