下垂体とは
下垂体(かすいたい)とは、脳の下面にぶらさがり、様々なホルモンを作っている所です。ホルモンとは、血液中に放出され、全身を巡って様々な臓器に働きかけ、その臓器の機能を調節する物質です。下垂体はさらに前葉と後葉に分かれ、作られるホルモンは、前葉で6種類、後葉で1種類がよく知られています。下垂体腺腫(せんしゅ)という病気は、前葉から発生しますので、前葉の6種類のホルモンが重要になります。
前葉ホルモン;乳汁分泌(にゅうじゅうぶんぴつ)ホルモン(プロラクチン、PRL)、成長ホルモン(GH)、副腎皮質(ふくじんひしつ)刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺(こうじょうせん)刺激ホルモン(TSH)、黄体(おうたい)形成ホルモン(LH)、卵胞(らんぽう)刺激ホルモン(FSH)の6種類
後葉ホルモン;抗利尿(こうりにょう)ホルモン(バゾプレッシン、ADH)
下垂体の本体は長径1cm程度の大きさで、直径1~2mm程度の細い茎(下垂体茎)で脳の下面に垂れ下がるような形になっています。位置としては鼻の奥の方で、トルコ鞍(とるこあん)と呼ばれる骨のくぼみ状のポケットの中におさまっています。下垂体のすぐ上には、左右両方の視神経(目で見た物の情報を脳に伝える神経)が走っているため、下垂体に腫瘍ができた場合は、視力や視野(見える範囲)の異常が問題となります。