脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

皮質下出血

皮質(ひしつ)とは脳の表面(しわのある部分)のことで、そのすぐ下での出血が皮質下(ひしつか)出血です。大脳は、前頭葉頭頂葉後頭葉、側頭葉に分かれ、それぞれで働きが違いますので、どこで出血したかで症状も違ってきます。

前頭葉の中でも前の方の出血では、高次脳機能障害が出ます。認知症になる感じです。後ろの方では、手足の運動麻痺が出ます。また、左側の前頭葉の出血では言葉の障害(特に自分で言葉を話す方の障害)が出ることもあります。

頭頂葉の出血では、手足の感覚が分からなくなったり、一方向に注意を向けることができなくなったりします。

後頭葉の出血では、目が見づらくなります。同名半盲(どうめいはんもう)といって、右目も左目も右側半分、あるいは左側半分が見えなくなります。したがって、両目で見ても、左右どちらか半分が見えなくなります。しかし、正常側の半分は見えていますので、目線を変えたり、頭ごと動かせば見えることになり、意外と気づいていない患者さんもいます。

側頭葉の出血は、右側ではほとんど症状が出ません。左側では、言葉の障害(特に周りの人が言っている言葉を理解できなくなる)が出ます。

比較的小さな出血であれば上記の通りですが、出血が多いと、いくつかの脳葉にまたがり、色んな症状が合わさって出ることもあります。
また、大きな出血では、意識が悪くなったり、命に関わることもあります。