脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

脳出血の手術

出血の量が多くて、意識が悪かったり、命に関わる状況であれば、血液を取る手術(血腫除去術;けっしゅじょきょじゅつ)が必要です。しかし、脳梗塞の時の超急性期再開通療法と違って、血が出た瞬間に脳に傷がついてしまいますので、いくら急いで手術を行っても、後遺症は残ってしまいます。つまり、救命できたり、意識が戻ったとしても、麻痺(手足が動かない)や失語(言葉が話せない、理解できない)が残る可能性はとても高くなります。また、大きな脳出血では、手術でうまく血液が取れても、意識が戻らず植物状態となってしまうこともあります。(手術の具体的な方法は、また別の項で解説します)

出血が少ない場合は、手術は行いません。すでに脳に傷がついているため、血液を取り除いても症状を改善させるのは難しく、逆に、周りの脳まで傷つけてしまい、症状を悪化させてしまう可能性もあるからです。手術をしなくても、出た血液は、何週間かかけて、少しずつ体に吸収されます。血液が吸収されてくると、周りの脳への圧迫は減っていきますので、それに伴って、少し症状が改善することもあります。

脳室に水(髄液)がたまる水頭症になっている場合は、髄液を抜くために手術(脳室ドレナージ術)を行うこともあります。脳室の中に多量の血液も流れ込んでいる場合は、この血液も取り除いた方が、その後の病状が良くなることが多いため、後に述べる内視鏡下血腫除去術が有効です。