脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

脳出血の分類と症状

脳出血は、出血の部位によって名称がついています。脳の働きは、脳の部位によって違いますので、出る症状も出血の部位によって違います。

被殻出血、視床出血
最も多いのが被殻(ひかく)出血、次が視床(ししょう)出血です。被殻視床は、脳の少し深い部分の基底核(きていかく)とも呼ばれる場所です。

皮質下出血
皮質下(ひしつか)出血は、大脳の比較的表面に近い部分の出血です。皮質とは脳の表面(しわのある部分)のことで、そのすぐ下での出血です。大脳は、前頭葉頭頂葉後頭葉、側頭葉に分かれますので、皮質下出血の症状も大脳のどこで出たかで変わります。

〇小脳出血、脳幹出血
脳の下の方(後頭部)には小脳や脳幹と呼ばれる部分があり、ここに脳出血を起こすこともあります。頭の中の上にある大脳と下にある小脳は、小脳テントという膜で仕切られており、小脳テントより下の空間を後頭蓋窩(こうずがいか)と呼びます。小脳も脳幹も後頭蓋窩にあります。

〇脳室内出血
脳の中には、脳室というすき間があり、ここには無色透明の髄液(ずいえき)という水がたまっています。脳室に近いところで脳出血を起こすと、脳室の中まで血液が垂れ込んで脳室内出血を起こすことがあります。特に視床は脳室のすぐ隣にありますので、視床出血が脳室内出血へ広がることはよくあります。また、まれに、どこにも脳出血はないのに、脳室内だけに出血を起こすこともあります。

★症状の詳細は、この後、それぞれの出血部位に分けて解説します。