くも膜下出血後に起こってくる水頭症について
くも膜下出血は、脳の表面に沿って広がります。正常では、この脳の表面のスペース(くも膜下腔とか脳槽と呼ばれます)には、髄液という水が存在するため、この水の中を血液が広がっていくイメージです。この広がった血液は、いずれ分解されて吸収されていきますが、この空間の所々に癒着が残ります。これによって、本来の水の動きが障害されて、頭の中に水がたまっていきます。この状態が水頭症(すいとうしょう)です。
★一応、このように説明しましたが、髄液の動きに関しては、まだまだ分かっていないことがたくさんあり、水頭症の原因についても、この解説が本当に正しいかは分かりません。ただ、くも膜下出血発症後、1~2ヶ月くらいで水頭症を起こすことは実際によくあります。
水頭症が起こってくると、歩く時のふらつきが出たり、意識が悪くなったりします。通常は、脳血管攣縮の時期(くも膜下出血発症後2週間)を越えると症状は回復してきますが、この回復期に水頭症が起こってくるため、症状の経過からすると、回復が途中で止まり、また悪くなっていく感じです。