脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

脳出血の薬物治療

薬の治療の目的は、再出血を予防することと、脳浮腫(のうふしゅ)を軽くすることです。症状を良くする薬はありません。

通常は血は止まった状態で病院へ来られますが、切れた血管はしばらくは不安定ですので、また血が出る(再出血)ことがあります。これをできる限り防ぐために、止血剤という血が出にくくする点滴を行います。黄色い色のついた点滴です。また、再出血を防ぐためには、血圧を下げる必要があります。もともと高血圧のある方がほとんどで、そこに脳出血というストレスが加わっているため、病院に来た時にはほとんどの人が血圧が高くなっています。そのまま血圧が高いままにしておくと、また血管が切れて再出血を起こしてしまう可能性があるため、注射の薬で血圧を下げます。
もちろん、これらの薬で100%再出血を防げるわけではありませんが、何もしないよりは悪くなる確率を下げることができます。再出血は、最初に出血してから5-6時間以内が最も多く、その後もしばらくは注意が必要です。

脳浮腫(のうふしゅ)は、出た血液の周りの脳がむくんでくる反応です。脳浮腫は時間をかけて少しずつ悪くなり、3日目あたりがピークとなって、その後、少しずつ改善していきます。ですので、脳出血後は、数日から1週間後あたりが最も症状の悪い時期になります。この間の脳浮腫を少しでも軽くするため、点滴の治療を行います。