頭蓋底髄膜腫の手術
頭蓋底(ずがいてい)の説明については「髄膜腫の手術」を参考にして下さい。
円蓋部髄膜腫と違い、普通に開頭しても、直下に腫瘍が出てきませんので、腫瘍に到達するのが少し難しくなります。
まず、腫瘍に最も到達しやすい部分で、開頭まで行います。ここまでは円蓋部髄膜腫と同じです。その後、硬膜を切ると、腫瘍は出てこず、正常の脳が出てきます。この脳を少し持ち上げてスペースをつくり、そこから腫瘍に到達します。腫瘍を脳から剥がす操作は円蓋部髄膜腫と同じですが、頭蓋底には脳以外に大事な神経や太くて重要な血管が多数ありますので、これらも傷つけないようにするのが重要です。深くて狭い空間でこの操作を行わないといけないため、少し難しい手術になります。本来は発生母地である硬膜ごと摘出したいところですが、頭蓋底髄膜腫ではそれは困難なため、硬膜は残して腫瘍だけを剥がし取ります。腫瘍の摘出が終わると、開頭部で切った硬膜は縫い合わせ、はずした骨をプレートとネジで止め、皮膚を縫い合わせて終了です。