脳の病気 脳の手術

脳の病気、脳の手術について分かりやすく解説します。自分の言葉で書きますので、間違った表現、間違った内容が含まれる可能性もあります。情報の取り扱いには十分ご注意下さい。

記事は順次追加していき、Twitterでもお知らせしますのでフォローをお願いします。脳の病気は、術後も長期的に経過を見る必要があるため、近くで信頼できる医師を見つけるのが良いと思います。愛知県東部の方は、直接相談にも乗れますので、必要な方はご連絡下さい。


質問箱(脳神経外科医@愛知県)

髄膜腫について

髄膜腫(ずいまくしゅ)とは、主に硬膜(こうまく)という膜から発生する良性腫瘍です。

硬膜は、頭蓋骨の内側を全周に渡って覆っている膜ですが、左右の大脳を仕切る膜(大脳鎌:だいのうがま)や、頭の中の上にある大脳と下にある小脳を仕切る膜(小脳テント)も硬膜です。髄膜腫は、この硬膜の一部から発生し、半月状に盛り上がるように大きくなっていきます。したがって、髄膜腫は頭の中のあらゆるところに発生しますし、できる場所によって症状や治療方針が変わってきます。

髄膜腫は基本的には良性腫瘍です。何年もかけてゆっくり大きくなり、少しずつ脳や神経への圧迫が強くなっていきます。脳は柔らかく、ゆっくり圧迫が強くなってくることに対しては、すぐに症状は出ません。できる場所にもよりますが、見つかる頃(症状が出る頃)には、かなり大きくなっていることもよくあります。これはつまり、症状が出る頃には脳や神経が耐え切れないくらい圧迫を受けているとも考えられますので、その後は少しの増大でも症状が進行していく可能性が高くなります。

基本的には良性腫瘍ですが、まれに悪性の髄膜腫というのも存在します。しかし、良性か悪性かは、CTやMRIなどの検査では判別できず、腫瘍そのものを取ってきて調べないと分かりません。腫瘍を取ってくるには手術が必要となりますので、手術は診断のためにも重要ということになります。