脳梗塞の前兆
脳出血には前兆がありませんが、脳梗塞には前兆症状が出ることがあります。
(くも膜下出血にも前兆症状が出ることはありますがまれです)
脳梗塞は血管がつまる病気ですが、つまった部分が、運よく自然に再開通することがあります。この場合、血管がつまった瞬間は症状が出ますが、再開通することで症状が消えるという現象が起こります。これを専門用語で、一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)といいます。英語(transient ischemic attack)の頭文字を取って、TIAと呼ぶこともよくあります。
その時に出る症状は、脳梗塞の症状と同じで、半身麻痺や言語障害などです。
ただし、症状が消えたからと言って、安心してはいけません。すぐに症状が再発して、次は戻らなくなり、後遺症が残ってしまう可能性も高いからです。そうならないように、すぐに病院にかかり、点滴などの治療を受ける必要があります。
一時的に片目が真っ暗になる一過性黒内障(いっかせいこくないしょう)という症状も、脳梗塞の前兆のことがあります。この症状は、首の動脈(心臓と脳をつないでいる血管)が動脈硬化で細くなり、血液の流れが悪くなった時に起こります。目に行く血管がつまって出る症状ですが、脳にも栄養を送っている血管ですので、そのまま放置すると、脳梗塞になってしまう可能性があります。したがって、この症状が出た時も、すぐに病院にかかる必要があります。